高卒・未経験でもエンジニアになれる?厳しい?就職を成功させる秘訣を解説!

高卒・未経験でもエンジニアになれる?厳しい?就職を成功させる秘訣を解説!

ITエンジニアは「学歴」よりも「実力」を重視されることから、高卒・未経験からチャレンジする人も少なくない職業です。

しかし大卒や院卒が活躍するエンジニアの分野で、高卒かつ未経験でも就職を成功させられるのでしょうか?

この記事では、高卒・未経験からITエンジニアへの転職が可能な理由と、就職を成功させるポイントについて解説しています。

また高卒・未経験からエンジニアになれない人の特徴や、エンジニアの厳しい現実もお伝えしていますので、就活をする上での参考にしてみてください。

高卒・未経験でもエンジニアになれる!理由は3つ!

高卒・未経験でもエンジニアになれる!理由は3つ!

IT業界やエンジニア未経験の方は、「高卒で未経験でも本当にエンジニアになれるの?」と疑問ですよね。

結論から伝えると、高卒で未経験であってもエンジニアになることは可能です。

その理由は、以下の3つです。

  • IT業界全体で人材が不足しているから
  • 実力と結果が重要視されているから
  • 企業ごとに研修体制が整っているから

IT業界全体で人材が不足しているから

IT業界は人手不足問題を抱えているため、異業種・異業界からの転職を積極的に受け入れているのが現状です。

なかでも、中小企業や零細企業の人材不足は深刻で、学歴や実務経験を問わないポテンシャル採用が続いています。

IT市場の拡大や少子高齢化、IT技術の急速な変化によって、今後も慢性的なエンジニア不足が予測できるでしょう。

経済産業省の調査によると、2030年には最大でおよそ79万人のIT人材が不足するという試算が出ています。

つまり、エンジニアの需要がなくなる可能性はほぼゼロに等しいということです。

現時点でエンジニアのスキルがなくても、これからプログラミング学習を始めれば、高卒・未経験であっても活躍できるチャンスに恵まれるでしょう。

参考:経済産業省 「IT人材需要に関する調査」

実力と結果が重要視されているから

IT業界において、エンジニアは「実力重視」といわれています。

つまり、学歴がなくともエンジニアになれるのに加え、成果を正当に評価してもらえるという訳です。

日本は年齢や在籍年数を重んじる傾向が高いですが、IT業界においてはほとんどの企業が当てはまりません。

経済産業省の調査によると、『IT人材の給与決定には何が重視されているか』という課題に対して、以下のような結果が報告されています。

順位 給与決定の要素 割合
1位 ITスキルのレベル(設計力、開発力、スピードなど) 59.1%
2位 コミュニケーション能力(含むマネジメント能力) 50.9%
3位 成果 46.6%
4位 これまでの経験 23.9%
5位 年功(在籍年数・年齢など) 10.5%
6位 先端分野の知識・スキル 7.7%
7位 新製品・新事業などの企画力・発想力 7.5%

ご覧の通り、ITスキルや成果は上位に置かれ、年功や企画・発想力はほとんど重視されていないのが分かります。

つまりスキルを習得し成果を出せれば、高卒・未経験であっても高く評価してもらえるということです。

引用:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」

企業ごとに研修体制が整っているから

エンジニアになるためには、最低限のプログラミングスキルが必要不可欠です。

しかしエンジニア未経験の場合は、ほとんどの人が専門的な知識を身につけていないでしょう。

実は理系の学生であっても、エンジニアになるための専門性が身についているのはごく一部であるため、多くの企業がエンジニアとして活躍するための研修体制を整えています。

採用に至っては「大卒だから有利」ということはなく、個人でプログラミングスキルを磨いている人の方が優遇されやすい傾向です。

ただし「高卒・未経験」という点からも、採用基準が低く参入しやすい分野をリサーチすることが重要になってくるでしょう。

未経験の高卒からエンジニアになれない人に共通している特徴

未経験の高卒からエンジニアになれない人に共通している特徴

高卒・未経験であってもエンジニアになれる話をお伝えしましたが、チャレンジする人も多い反面、就職に失敗してしまう人も少なくないのが現実です。

ここでは、エンジニアになれなかった人の4つの共通点をお伝えしていきます。

エンジニアを目指している方は、本章で紹介する特徴を理解し、徹底した対策をとっておくようにしましょう。

  • 憧れや興味だけで就職を進めている
  • 自己分析・企業研究ができていない
  • エンジニアに求められる要素を理解できていない
  • 正社員として働いていない期間が長い

憧れや興味だけで就職を進めている

「エンジニアになれば将来安泰だから」
「高卒でも正社員になりやすいから」

このような安易な考えで、エンジニアを目指すのは危険です。

高卒エンジニアの場合、労働環境が整った大企業への就職は厳しく、残業が多く低賃金の中小や零細企業へ就職する可能性が高いからです。

確かにエンジニアは人手が不足している状況ですが、「給料がいい」「なんとなく格好いい」という表面だけの判断で就職してしまうと、のちのち苦労します。

先ほど高卒・未経験でもエンジニアになれる理由で「企業の研修体制が整っているから」と先述しましたが、「自分で学ぶ姿勢」はどの業界でも必要不可欠です。

「不明点を明確にし、自分自身で調べた上で質問する」ということができない場合、メンバーから「お荷物扱い」されてしまうでしょう。

自己分析・企業研究ができていない

自己分析や企業研究は、転職活動において重要な意味があります。

自己分析は自分の強みを見つけるため、また自分に合った転職先を見つけるためにも重要です。

徹底した自己分析をすることで、自分の強みや得意分野を見出し、企業にアピールすることが可能になります。

とくに未経験での就職・転職は、「どうしてエンジニアになりたいと思ったのか?」という質問を必ず受けますので、面接官を納得させられる回答を用意しておくことが大切です。

また企業研究においては、企業の特徴や企業方針を把握し、自分の志望動機を明確にする上で役立ちます。

面接では、「どうして当社なのか?」といった質問をされることも多く、企業研究を怠ってしまうと自分の意見や将来性を述べられません。

どんな企業なら自分のスキルを発揮できるか、自分が魅力を感じのはどの会社か、企業とあなた自身の相性を見極めましょう。

エンジニアに求められる要素を理解できていない

どんな仕事にも「求められる要素」があります。

営業であれば「商品を売る力」、美容部員であれば「接客マナーや身だしなみ」、事務職なら「作業スピードや正確性」といった要素です。

エンジニアにももちろん求められる要素はあり、エンジニアを目指す人であれば求められる理由まで理解しておくことが大切です。

一般的にいわれるのは、論理的思考能力やコミュニケーション能力、テクニカルスキルなどがあげられます。

いずれもエンジニアになるためには必要不可欠な要素で、3つのスキルがないと業務を遂行できない可能性が高いです。

さらに細かくあげると、「最新技術の習得に積極的であること」や「新しい分野や技術に対し好奇心を持つこと」も大切な要素でしょう。

エンジニア就職は、高卒・未経験でも間口が広がっていますが、自分に求められているものを理解し努力しなければ、エンジニアとして活躍することは難しいかもしれません。

正社員として働いていない期間が長い

高卒でも大卒でも、就職・転職における空白期間やブランクは不利になります。

3ヶ月以内であれば、「就職活動中」ということを企業側も理解してくれますが、それ以上になると「働く意欲がないのでは?」「計画性がない?」と懸念されてしまう可能性が高いです。

また一生懸命就活していたことをアピールしても、「なかなか転職先が決まらない人」というイメージを持たれてしまうこともあるでしょう。

正社員として働いていない期間が長い人は、「親の介護」や「病気の療養」、「資格の勉強」とさまざま理由があると思います。

空白期間の理由を企業にどう伝えるかが、エンジニアになれるか否かのポイントになりますので、これからどう成長していきたいか、どんな目標があるのかを的確に伝え、空白期間のハンデを乗り越えることが重要です。

未経験の高卒からエンジニアに就職するための極意

未経験の高卒からエンジニアに就職するための極意

未経験の高卒からエンジニアに就職するためには、以下の3つの極意を押さえておきましょう。

  • エンジニアに必要な初歩的なスキル・知識を身につけておく
  • エンジニアに関連する資格を取得する
  • とにかくやる気と意欲を伝える
  • 20代前半のうちに就活を始める

エンジニアに必要な初歩的なスキル・知識を身につけておく

エンジニアに必要なスキル・知識とは、ITに関する基礎的な能力やビジネスマナー、基本的なPCスキル、プログラミングの知識などです。

このほかにも職種に応じて、システムに関する知識やセキュリティに関する知識、マーケティング能力などがあげられます。

またプログラミングにはさまざまな言語があるので、自分の目指す職種ややりたいことに合った言語を選ぶようにしましょう。

基礎をしっかりと理解しておくことが、応用技術を学ぶ際にも役立ちます。

エンジニアに関連する資格を取得する

エンジニアは資格がなくても目指せる職業ですが、「高卒かつ未経験」というハンデをカバーするには、面接でアピールできる材料があると有利です。

他者と差をつけるためにも、また面接で意欲を伝えるためにも、エンジニアに関する資格取得が役立つでしょう。

エンジニアを目指すのであれば、「ITパスポート」や「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」、「基本情報技術者試験(FE)」にチャレンジしてみるのもおすすめです。

面接の場で「プログラミングスクールや独学で知識をマスターした」と伝えられれば、採用担当者に本気度が証明でき、エンジニアとしての成長性を期待してもらえるでしょう。

とにかくやる気と意欲を伝える

未経験から転職する場合、企業側に「今は未経験だが、将来は活躍してくれそうだ」と思わせることが重要です。

まず、エンジニアとしてもっとも大切なのが、「仕事に対する意欲や好奇心」です。

ここでいう好奇心とは「やってみたい!」「興味がある」というような感情を原動力として、どんな成果を生み出せるかが重要です。

「効率よく稼働させるにはどうしたらいいか?」
「この問題を解決するための最新技術を学びたい」

エンジニアの世界では、好奇心旺盛なことが技術の向上につながります。

初めてのことでも躊躇せずにチャレンジできる精神があり、それを面接でアピールできれば、将来に期待され採用される可能性が高まるでしょう。

20代前半のうちに就活を始める

エンジニア就職を成功させる大切なポイントは、「できるだけ若いうちに就職活動をはじめる」ことです。

未経験からの就職の場合は、企業側が研修制度などを設けて人材を育てますが、「就職して活躍できる期間が長い方」を優先的に採用します。

つまり40代より30代、30代より20代、20代後半より20代前半、ということです。

また就職活動に時間をかけすぎると、「働くことに対する意欲が低い」「採用しても会社に馴染めないかも」と懸念されてしまう可能性があります。

とくに実務経験やスキルがない未経験からのチャレンジでは、「若さ」と「やる気」を最大限にアピールすることが重要です。

「エンジニアになりたい!」と思い立った今が、あなたの人生で1番若い日です。

1日でも早く行動に移すようにしましょう。

未経験の高卒でも目指せるエンジニアの種類

ITエンジニアといっても、実にさまざまな種類のエンジニアが存在します。

ここでは「高卒・未経験から目指せる3つのエンジニア職」について、仕事内容や求められる要素を紹介していきたいと思います。

システムエンジニア

エンジニアというと、多くはシステムエンジニアを指します。

システムエンジニアは、システム開発のプロジェクトにおいて、要件定義や設計、開発、テスト、運用、保守までの一連の作業に携わる職業です。

クライアントに対して課題をヒアリングしたり、仕様を説明したりもするため、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルが求められます。

求人サイトでは「自社開発」と「客先常駐型」の募集を頻繁に目にしますが、同じエンジニアでも働き方が大きく異なるので注意が必要です。

客先常駐型は、クライアントからの依頼を受けて客先などでシステム開発を行います。

一方で自社開発のエンジニアは、社内SEとも呼ばれ、主に社内システムの開発や運用などに携わります。

プロジェクトによって働く場所が変わることもなく、落ち着いた環境で働けるというメリットがあります。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとは、主にネットワークの設計や構築、運用、保守といったトータルサポートを行う技術者です。

ネットワークの仕組みを1から作り、快適な通信環境を継続的に運用、管理していきます。

未経験者の場合は運用や監視からスタートし、次に構築に携わることが多いでしょう。

ルーターやスイッチといった通信機器を多く扱うのも、ネットワークエンジニアの特徴です。

今やネットワークはどの企業にも欠かせないツールとなっており、ネットワークエンジニアの需要も高まっています。

高卒・未経験からネットワークエンジニアになるには、ネットワーク機器メーカーであるシスコ社の「CCNA」や「CCNP」、経済産業大臣が認定する国家試験の1つである「ネットワークスペシャリスト試験」などにチャレンジするのがおすすめです。

プログラマー

プログラマーの主な仕事は、プログラミング言語を用いてコンピュータープログラムを組み、ソフトウェアやシステムを作ることです。

IT企業だけでなく、自動車メーカーや家電メーカー、運送や小売業、流通業など、プログラマーが活躍できる転職先はたくさんあります。

また未経験の場合、オープン系、Web系、ゲーム・アプリ開発の分野で採用が活発に行われています。

プログラマーを目指すのであれば、最低でも1言語の基礎は習得しておくようにしましょう。

エンジニアに興味を持っている高卒が理解しておくべきエンジニアの現実

これまで、「高卒・未経験であってもエンジニアになれる」ということをお伝えしてきましたが、ここでは少し厳しい現実をお話したいと思います。

まずは現実を受け止め、それでもエンジニアになりたいと思うか、自分に問うてみましょう。

  • 地道な作業が非常に多い
  • コミュニケーションをとる機会が多い
  • 高年収を稼いでいるエンジニアはほんの一握り

地道な作業が非常に多い

エンジニアは高収入で華やかなイメージのある職業ですが、実際には地道な業務が多く、コツコツとした作業が多くの時間を占めます。

大きなプロジェクトに関わっていたとしても、エンジニアの基本は「コードを書く」「実行する」「エラーを修正する」の繰り返しです。

その地道で目立たない作業を毎日コツコツできない人は、エンジニアに向いていない可能性が高いでしょう。

コミュニケーションをとる機会が多い

エンジニアは、卓上でプログラミングをするだけが仕事ではありません。

実にさまざまな部署と関わりがありますし、1つのプロジェクトに複数の会社が参画することも多いので、さまざまな下請け会社から派遣されたエンジニアと共に、プロジェクトを円滑に進めなくてはなりません。

「エンジニアにコミュニケーション能力が必要不可欠」、と言われているのはそのためです。

「エンジニアになれば他人と関わらなくてすむ」と考えていると、のちのち後悔することになるので注意しましょう。

高年収を稼いでいるエンジニアはほんの一握り

「エンジニアは実力次第で稼げる」というイメージを持っている方も多いと思います。

経済産業省の調査によると、エンジニアの平均年収は542万円でした。(※1)

一方で、日本の令和2年の平均年収は433万円(※2)ですので、エンジニアが100万円以上も上回っていることが分かります。

しかしこの結果は大企業で働く社員が含まれているのに加え、コンサルタントやプロジェクトマネージャーなど、一部の階級が高いエンジニアが年収を底上げしていることを理解しておく必要があります。

高卒で高収入のエンジニアは、技術力が卓越したフリーランスであることが多く、会社員として組織に属しているエンジニアで高収入なのは一握りです。

高卒で未経験の場合は、プログラミングスクールで技術を習得しても、すぐにフリーランスとして活躍することはできません。

まずは企業に入社して現場を経験することからスタートするため、低賃金で下積みをしないといけないのが現実です。

(※1)引用:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」

(※2)引用:国税庁「民間給与実態調査統計」

未経験の高卒としてエンジニアになるには行動あるのみ!すぐに就活を始めよう!

高卒で未経験であっても、エンジニアへの就職は可能ということを解説しました。

エンジニアの仕事は「実力」と「結果」が重視されるので、学歴や職歴にハンデがあっても頑張り次第でカバーすることができます。

これは未経験・高卒からエンジニアを目指す人にとって、正当に評価してもらえる職業だといえるでしょう。

しかし「採用されやすい」「需要があり安定している」というだけで目指してしまうと、のちのち後悔してしまう可能性も。

未経験からエンジニアにチャレンジする場合は、仕事内容や業界を十分に理解した上で、どんなエンジニアが自分に合っているかをじっくり考えてみましょう。

「自分がエンジニアに向いているのか分からない」
「エンジニアの求人が多すぎて選べない」

と悩んでしまったら、エンジニアの就職・転職に特化したエージェントを利用するのがおすすめです。

エンジニアに特化した転職エージェントはたくさんありますので、学歴や職歴を問わず転職を支援してくれる「特化型エージェント」を活用してみましょう。