薬剤師への転職はコロナの影響で厳しい?市場価値を高めて転職を成功させる秘訣

薬剤師への転職はコロナの影響で厳しい?市場価値を高めて転職を成功させる秘訣
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「薬剤師の資格があれば、いつでも誰でも転職できる」という時代は終わりかけているのをご存知でしょうか?

とくに都心部であるほど、「薬剤師の資格があるから転職し放題!」というのは過去の話です。

だからといって現状に満足していなかったり、人間関係の問題だったりで、転職を余儀なくされている薬剤師さんも多いと思います。

そこで今回は、直近の薬剤師の転職事情を解説しながら、転職を成功させる秘訣をご紹介したいと思います。

転職回数が多い方、これから転職しようと考えている薬剤師のみなさんは、万全な体制を整えた上で転職活動をはじめるようにしましょう。

薬剤師の転職はコロナ渦の影響で厳しくなっているのが現状

薬剤師の転職はコロナ渦の影響で厳しくなっているのが現状

冒頭でもお伝えしましたが、現在の薬剤師の転職市場は非常に厳しくなっており、資格があれば誰でも転職できる時代ではありません。

転職を何度も繰り返している方や、40歳を超えてからの転職、調剤未経験の方は注意が必要です。

薬剤師の転職が厳しくなった原因には、新型コロナウイルス感染拡大の影響が非常に大きいでしょう。

病院やクリニックの受診を控えようとする患者が増加し、処方箋枚数が大幅に減少。

薬局の収益悪化に伴って、薬剤師の需要は今も下がり続けており、転職の難易度が急激に高くなりました。

中途採用をやめて新卒採用のみにシフトした大手チェーンの薬局もあるほどですので、これから転職をしようと考えている薬剤師さんは慎重な転職対策を行う必要があります。

薬科大学や薬学部が増えて薬剤師免許所持者が増えている

2006年に6年制の薬学教育がスタートし、薬科大学や薬学部の新設が急増しました。

以前は薬剤師不足といわれていた時代がありましたが、毎年平均8,000〜9,000人の薬剤師免許所持者が誕生していることを考えれば、薬剤師過剰時代が到来することは予測できます。

ちなみに平成28年に実施された第101回試験では、過去最多の11,000名が合格しました。

これまでは「薬剤師優位」だった転職市場も「企業優位」にシフトしており、条件のいい求人を選び放題だった薬剤師の転職事情は大きく変化しています。

現在、国内の薬局は約60,000店舗ほどもあり、その数はアメリカの薬局よりも多いそうです。

国は薬局の数が多くなりすぎたと考え、今後は適正な数に減少しようと検討をはじめています。

最新機材が導入されているのも原因

さまざまな業界でAI技術を活用したシステム化が進むなか、調剤薬局においてもAI導入による薬剤師業務の変革が起きています。

調剤業務の大幅な自動化、AIによる服薬指導の支援、錠剤やカプセル剤を高画質撮影し高速かつ高精度に読み取る一包化監査支援システムなどです。

薬剤師の業務は専門的な知識を必要とする仕事でしたが、実はAIによって自動化できる業務が多く含まれているということが証明されました。

これから技術はさらに進歩していきますので、薬剤師ありきの業務は減少してしまう可能性が考えられるでしょう。

買い手優位の市場で需要の高い薬剤師に共通している特徴

買い手優位の市場で需要の高い薬剤師に共通している特徴

2022年以降も、「企業優位」の市場が加速することは間違いありません。

しかし一方で、買い手市場にも関わらず好条件の求人を勝ち取っている薬剤師も数多く存在します。

転職が厳しいといわれる状況の中で、企業に求められる薬剤師にはどのような共通点があるのか、詳しくみていきましょう。

在宅医療の経験

現在、全国の在宅医療求人は増加傾向にあります。

採用に積極的でない企業や、人材が充足している薬局でも、これから在宅医療に力を入れていきたいという考えが浸透してきています。

「調剤経験が20年あります!」という薬剤師はめずらしくありませんが、「在宅の経験が豊富です」という薬剤師はそれほど多くありません。

高齢社会が加速していくことを考えれば、今後も在宅医療のニーズは高まり続けるでしょう。

2015年に厚生労働省が打ち出した「患者のための薬局ビジョン」でも、かかりつけ薬剤師・薬局の需要性をあげ、2016年にはかかりつけ薬剤師指導料などを新設しています。

スキルアップに励み、在宅薬剤師になるためのスキルを磨いておくことは、薬剤師として活躍し続ける上で重要な要素といえるでしょう。

管理薬剤師・認定薬剤師として働いた経験

需要の高い薬剤師に共通するのは、「管理薬剤師」や「認定薬剤師」としての経験です。

調剤薬局の店舗をはじめ、薬剤部の管理・運営などを担う重要なポジションであり、薬局の新設にも欠かせない存在となっています。

管理薬剤師の資格があれば転職市場での需要が高いだけでなく、年収700万円〜1,000万円の高収入を目指すことも可能です。

医薬品に関する幅広い知識や商品管理についての知識も自然と身につくので、大きなキャリアアップを実現できるでしょう。

また、経営や人材育成などのマネジメントにも関わることで、薬局以外の幅広い産業からも需要が見込め、誰よりも有利な立場で転職できるようになります。

かかりつけ薬剤師の経験

かかりつけ薬剤師としての経験も、転職市場では高く評価されます。

厚生労働省による「患者のための薬局ビジョン」には、すべての薬局が「かかりつけ薬局」として運営することが目標として設定されました。

かかりつけ薬剤師として承認されるためには、以下のような条件があります。

  • 実務経験3年以上
  • 同じ薬局に半年以上在籍
  • 週32時間以上勤務

これらをすべてクリアしている薬剤師は、転職を繰り返す薬剤師やパート経験しかない薬剤師と比較しても、転職で優位になるのは当然といえます。

研修認定薬剤師の資格は3年ごとの更新制になっていますので、常にスキルアップを目指している薬剤師であることも証明してくれるのです。

転職が厳しい薬剤師の転職を成功させるには?

転職が厳しい薬剤師の転職を成功させるには?

薬剤師の転職市場が大きく変わりつつあることを解説しましたが、このご時世でも転職を成功させている薬剤師さんは数多くいらっしゃいます。

希望条件を満たす求人に出会い採用されるためには、どのような転職活動を行うべきなのでしょうか?

ここでご紹介するのは、転職を成功させるために大切な6つの秘訣です。

  • 常に変化する市場に適応する柔軟性
  • マネジメントスキルをアピールする
  • 自分独自の薬剤師としての経験を積む
  • 勤務先の地域を限定しすぎない
  • 5年~10年後のキャリアを見据える
  • 薬剤師に特化している転職エージェントを利用する

常に変化する市場に適応する柔軟性

薬剤師の転職市場は厳しくなってきていますが、このような状況でも「薬剤師優位」だと考え、スキルアップなどの自己研鑽を大切にしない薬剤師も少なくありません。

「調剤薬局なんてコンビニより多いからいつでも転職できる」とたかを括っていると、いつか痛い目にあってしまうでしょう。

国家資格である薬剤師であっても、時代や市場のニーズをしっかりと汲み取り、柔軟に対応できる行動力が必要です。

マネジメントスキルをアピールする

薬剤師としての経験だけでは、希望する転職先から内定をもらうことはむずかしいかもしれません。

しかし、薬剤師の経験にマネジメントスキルが加われば、採用担当者の目を引くことができます。

国内にはおよそ60,000件の調剤薬局があり、ここ10年で7,000件ほど増加しています。

採用企業は現場で働く薬剤師に加え、店舗の人材管理や育成をしてくれる薬剤師を欲しがっており、マネジメント経験のある薬剤師の需要は高いです。

これからの薬局運営は厳しい市場が広がっていくことが予想されますので、優秀な人材を育てられる薬剤師であれば優位に転職が叶うでしょう。

自分独自の薬剤師としての経験を積む

厚生労働省が考える薬局にあり方は、以下の通りです。

  • かかりつけ薬局による服薬情報の一元化
  • 関係機関との連携による健康サポート機能
  • 夜間・休日、在宅医療への対応

今後の転職市場を予測し、あなたならではの強みを持つことで、転職を有利に進めることができます。

豊富な経験、専門性の高さ、特殊な強みをアピールできれば、どんな困難な状況も乗り超えていける薬剤師になれるでしょう。

参考:厚生労働省「患者のための薬局ビジョン概要」

勤務先の地域を限定しすぎない

都市部では薬剤師の人数が多く、特別なスキルや経験がないと転職できないケースが増えています。

しかし、地方では薬剤師不足が継続しており、IターンやUターン転職を歓迎する薬局があとを絶ちません。

多くの業界では地方にいくと年収が下がるのが一般的ですが、薬剤師は地方であっても都心部と変わらない給与が期待できます。

勤務地を限定しすぎず、需要に応じて住む地域を変える柔軟性も大切になってくるでしょう。

5年~10年後のキャリアを見据える

薬剤師は高収入が得られる職業ですので、現状に満足している方も多いと思います。

しかし、年齢が上がるにつれて転職は厳しくなり、以前のような年功序列も期待できなくなります。

子どもの養育費などで年収アップ転職を希望したとしても、年齢で採用されなかったり、スキルが足りなかったりして転職できない可能性も高くなるでしょう。

そうなる前に5年後、10年後のキャリアを見据え、今のうちから対策を練っておくことが重要です。

自分が磨きたいスキルや興味のある分野を追求し、人とは違った強みのある薬剤師を目指しましょう。

薬剤師に特化している転職エージェントを利用する

転職が厳しいといっても、「薬剤師を今すぐ採用したい!」という薬局はたくさん存在します。

ただ私たちでは、人が足りずに困っている薬局を知ることがむずかしいだけです。

薬剤師を募集している企業を知るには、「薬剤師の転職に強い転職エージェント」を活用することで解決します。

薬剤師に特化したエージェントであれば、全国の薬局と太いパイプを持っているので、薬剤師が不足している情報を瞬時に知ることが可能です。

また緊急の人事は好条件での採用が期待できるため、「高収入」や「高待遇」で採用される可能性も高くなります。

薬剤師専門のエージェントはたくさんありますので、地域や働き方を加味して自分に合ったエージェントを選びましょう。

転職に失敗する傾向がある薬剤師の特徴

転職に失敗する傾向がある薬剤師の特徴

最後に、転職を失敗させてしまいがちな薬剤師の特徴をご紹介したいと思います。

以下の3つの条件に、あなたは当てはまっていないですか?

  • 転職回数が多い
  • 応募書類・面接対策が不十分
  • 薬剤師としての経験が浅い

転職回数が多い

どの業界でもそうですが、転職回数が多い人材は採用されづらい傾向があります。

その理由は単純で、企業側から「すぐに辞めてしまう人」と認識されてしまうからです。

現在は終身雇用もなくなりつつあり、転職が当たり前の時代になりました。

しかし何度も転職を繰り返していると、「絶対ここに転職したい!」という求人に出会えたとき、自身の経歴を後悔することになるかもしれません。

またかかりつけ薬剤師になるためには、同じ薬局に1年以上在籍していることが条件です。

つまり採用する薬局としては、長く働き続けてくれる薬剤師でなければ採用したくない、というのが本音でしょう。

ただし、他者にはない豊富な経験や高いスキルがあれば、転職回数が多くても「欲しい」と思われる人材になることは可能です。

応募書類・面接対策が不十分

薬剤師のような国家資格保持者にありがちなのが、履歴書や経歴書の作成が不十分だったり、面接対策をしていなかったりという失敗が挙げられます。

希望の求人から内定をもらうためには、採用担当者が「会いたい!」と思うような応募書類を作り、「一緒に働きたい!」と思われる面接対策が必要です。

「自分の強みが分からない」
「自己PRに何を書いたらいいのだろう…」
「面接対策って何をするの?」

このような疑問を抱えている方は、薬剤師の転職に特化したエージェントを利用しましょう。

ほとんどの転職エージェントで、キャリアアドバイザーによる書類添削や面接対策などが無料で受けられるようになっており、企業ごとに効果的な転職サポートをしてくれます。

薬剤師としての経験が浅い

経験がない方の転職は非常に厳しく、数少ない「未経験可」の求人を探す必要があります。

さらに転職してからも業務に慣れるまでが大変ですので、研修制度が充実している大手ドラッグストアや調剤薬局チェーンなどに絞って、転職先を探しましょう。

20〜30代の場合はそれなりに選択肢がありますが、40代以上で未経験の方はさらに難易度が高くなってしまいます。

そのため、「給与を下げる」「土日勤務」など、転職先に求めている条件を低くしなくてはなりません。

未経験者の場合は「現場で経験を積む」ということが最優先事項ですので、「自宅から遠い」「非正規雇用としての採用」などは目を瞑る必要があります。

ポイントを踏まえて薬剤師転職を成功させよう!

薬剤師の転職市場は5年前ほどと比較しても厳しくなっており、薬剤師資格を持っているだけでは評価されなくなってしまいました。

しかし厳しい時代だからこそ、現代のニーズを読み取りながら自身の市場価値を高め、企業に選ばれる薬剤師になることが重要です。

今後はかかりつけ薬剤師を目指したり、在宅医療の経験を積んだりして、第一希望の求人で内定を勝ち取れるような薬剤師を目指しましょう。

1人での転職活動に自信がない方や、思うように内定がもらえず困っている方は、薬剤師の転職に強い転職エージェントを利用することをおすすめします。

これまでたくさんの薬剤師の転職をサポートしてきた実績と、薬局との強いコネクションで、あなたの転職を成功に導いてくれるはずです。

さらに自分では気づかなかった強みを引き出し、今後のキャリアプランについても丁寧に相談に乗ってくれます。